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中国バブルに活路を求める加森観光

2010/03/30 RHインシグノ株式会社「加森観光株式会社との業務提携の基本合意に関するお知らせ」より
2. 業務提携の主な合意内容
(1) 当社が有する中国国内ネットワークを活用した北海道内のリゾート開発を共同で進めるとともに、事業シナジーを見極め、当社は中国国内観光事業者およびリゾート開発事業者による、加森観光への事業パートナーの紹介を行う。
(2) 当社が有する中国国内におけるネットワークを活用し、加森観光のリゾート会員権「加森バケーションクラブ」の販路拡大を行う。

2010/03/31 北海道建設新聞社ヘッドラインより
 加森社長は、2月には香港や上海の企業グループが、加森の施設を視察したことを明らかにし、相互に施設を利用することで「顧客の交流から始めたい」と話した。具体的には、加森の施設を10年間利用できる権利を1500万円で販売している加森バケーションクラブを「中国内で5年間、750万円くらいで販売 し、1000口、75億円は販売したい」意向だ。
 資本の呼び込みについて飯島社長は、SPCや投資組合などの設立に言及。複数のグループと折衝 を重ねていることを明らかにした。加森社長は「ルスツリゾートも(施設の完成度は)30%くらい、まだ70%残っている。他人の資本を入れていかないと」 と話すなど、ノウハウを持つRHの役割と、中国企業の資本投下に期待を表明した。

2010/03/31 北海道新聞より
 業務提携による会員権の販売先は中国、香港、台湾などの大企業グループなどを想定。2月中旬には中国の不動産開発大手、中房集団(北京)の首脳などを北海道に招き、会員権販売や将来の事業展開について協議した。
 加森社長は、提携調印後の記者会見で「ルスツリゾート(後志管内留寿都村)など既存施設の拡張で、中国資本の投資を仲介してもらうことも期待している」と表明。飯島社長も「中国資本を北海道に導くため、他の分野にも事業を拡大したい」と述べた。
 RHインシグノの前進は、消費者金融のアース。中国の政財界に人脈を持つ周泰鳳氏が代表を務めるレッドホース(RH)グループが昨年6月、同社を事実上買収したのを契機に、中国や台湾、香港などの富裕層向け投資仲介事業に参入した。

私見
 「事業の引き受け以来、長らく悪化の傾向にありました損益状況も大幅な経費圧縮で改善は見られたものの、リゾート部門の損益は、未だ赤字の状況にあります。」(2009/11/24)という加森観光株式会社サホロ事業部ですが、2012年度からは、町からの助成金5,000万円/年(2002〜2011年度)が無くなります。

 サホロリゾートを廃業するには、国有林の原状回復義務を履行しなくてはなりません。また、町からの助成金5,000万円/年は取り消され、毎年推定6,270万円の固定資産税(土地520万円・家屋5750万円)が課されますから、施設を解体する他ありませんが、解体費用と10億円以上の除却損が発生します。加森観光は簡単に撤退できない状況にあるのです。

 サホロリゾートが売れればいいのですが、買い手はなかなか見つからないでしょう。加森観光にすれば、引き受けてくれる会社があれば、タダでも譲渡したいかも知れません。原状回復費用と解体費用が節約になりますから。

 加森観光は佐幌岳北斜面スキーコースの開発目的について、「ニセコなどのように外国人が長期滞在する地域を確立したい」「景観の良さも生かし、(外国人に人気の高い)ニセコに匹敵するゲレンデ環境を提供したい」(2010/03/03 北海道新聞)と説明していますが、ニセコでは2つのスキー場が香港資本とマレーシア資本に売却されています。 「中国企業の資本投下に期待を表明」している加森観光の本当の狙いは、「サホロは将来ニセコのようになりますよ。今がチャンスですよ」と、中国の資本家に思い込ませること。実際にスキー客が集まるかどうかは、あまり重要ではないかも知れません。ただし、化けの皮が剥がれるまでに売却する必要があります。

 海外資本が撤退するのは簡単です。国有林を放置し、施設が廃墟になっても、行政はどうすることもできないからです。結局、役人は誰も責任を取らず、後始末には税金が使われることになるのでしょう。

 加森観光がサホロリゾートを転売するのは自由ですが、国有林の原状回復義務については加森観光が連帯保証すべきと私は考えています。

 なお、国有林の貸付けにあたっては、「申請人の信用、能力、資産等を十分調査検討しなければならないが、その際、特に」「申請人がみずから誠実に事業の実施を行なうことが、確実であること。」等について、慎重に審査することが定められています。

 リゾート会員権「加森バケーションクラブ」の実体は前売券に過ぎず、投機の対象にはなりません。フル活用すれば若干割安になるのかも知れませんが、富裕層にとって前売券はまったく魅力がないでしょう。75億円集めるとは、ホラ話にしても、ひどすぎます。

リンク
加森観光がリゾート開発に中国資本呼び込みへ業務提携
RHインシグノ(株)加森観光株式会社との業務提携の基本合意に関するお知らせ
RHインシグノ(株) 有価証券報告書(旧社名(株)さくらパートナー)
【リゾート会員権】加森バケーションクラブ
Wikipedia リゾート会員権

リゾート投資に沸くチャイナマネーの標的は「パウダースノー」「富士山」「温泉」

【花園スキー場】
2004年8月 東急不動産からオーストラリア資本へ約105億円で売却
2007年9月 オーストラリア資本から香港資本へ20〜30億円で売却
香港資本 豪リゾート会社を買収 ニセコ参入

【ニセコビレッジスキーリゾート(旧ニセコ東山スキー場)】
2007年3月 プリンスホテルからシティグループへ売却 12施設計64億4200万円
2010年3月 シティグループからマレーシア企業へ売却 60億円

【ニセコモイワスキー場)】
ニセコモイワはゼファーが取得
ニセコ開発のゼファーが破綻、モイワの不運続く
申請負債総額949億円。ゼファーが民事再生法

スキー場設備・建物が北上市に寄附され、国有林の原状回復義務が北上市に移転(加森観光が無償借受して運営)。