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正義は時に勝つ

「リゾート・ゴルフ場問題ニュース」No.23(1996年1月26日発行)より

正義は時に勝つ

芳賀 耕一  

 裁判に勝って驚いたら、いけないと思う。自分が正しいと思うことが認められただけだから…。しかし、九四年十月、原告全面勝訴の札幌地裁判決には、誰もが驚いた。道知事を相手に、ゴルフ場事前協議書(決算書・資金計画・図面等)の全面開示を求めた私が、完全に勝ってしまったのである。
 どうして勝ったのだろう。
 原告席に座るのは私一人。分からない事だらけの本人訴訟だが、迅速な裁判に努力を惜しまない。これに対し、被告席に座る七名の道職員は、「積極的主張は追って行う」と裁判を引き延ばし、裁判長に質問されるたびにコソコソ相談しては「次回お答えします」。ついに裁判長も声を荒げ「こんなことも答えられないのですか!」。小気味よかったが、それだからといって勝つ筈もない。
 第五回口頭弁論、今度は被告席に弁護士と八名の道職員が座る。質問に答えるのは弁護士。さすがに流暢だ。裁判長の質問に「個々の文書開示によって損なわれる利益について、個別具体的に主張立証するつもりはない」。こちらが素人だから甘く見たのだろうか。
 結局、何が良かったのか分からない。「まず勝てない」と言われていた訴訟だったが、道の主張は矛盾だらけで、勝手に自滅してしまった印象もある。
 とにかく札幌地裁は、「開示が、自然環境の保全及び良好な生活環境の確保という公益に資するものであることは明らか」と認めたうえで、道の姿勢を「開示することの公益上の必要性等については何ら検討するところがない」と厳しく批判してくれた。
 道は控訴したが、控訴審も今年一月三十一日に結審する。道はあの手この手で責めてくるが、素人の私が法律知識や法廷テクニックで弁護士に勝てる筈はない。こちらは「正義は勝つ」と呪文を唱え、正しいと思うことを堂々と主張するだけだ。それでも負けたら、ごめんなさい。
 なお、サホロリゾートの親会社・西洋環境開発は昨年、「リゾートから五年以内に撤退」を表明し、ゴルフ場拡張計画も消滅した。